4月に起きた韓国旅客船セウォル号沈没事故の犠牲者(세월호 참사 희생자)を哀悼する歌を作り、犠牲者遺族を支援するための募金活動を繰り広げる日本人がいる。岡山県に住む歯科医の上林英夫(간바야시 히데오)さん(48)だ。上林さんは7月、知人らの支援を受け韓国語、日本語、英語バージョンの3曲が収録されたCD「PRAY FOR KOREANS」を3000枚制作した。上林さんが作詞を手掛け、作曲は作曲家の古城洋次さんに依頼した。上林さんは曲について「セウォル号事故のような悲劇的な出来事も時間が経てば忘れられてしまう。忘れないように、同じようなことが起きないようにしようというメッセージを世界に伝えたくて3カ国語で歌を作った」と説明した。インターネットでこの歌を聞いた韓国の高校生が合唱大会で歌ったという話を聞きいたときは非常に感動したという。韓国と特別な縁があったわけではないが、曲を作ったのは大学時代に不慮の事故で友人を失った悲しい経験があるからだ。広島大に在学していた当時、下宿先を訪れた友人は帰宅途中に見知らぬ男に刺された。友人の両親と共に付き添い続けたが友人は息を引き取った。このときの経験から「残された者のつらさ」を理解できるが故に、セウォル号事故犠牲者の遺族や友人のためにできることはないかと考えるようになったという。CD制作にとどまらず「岡山から音楽の力でセウォル号沈没事故の被害者支援をする会」を発足させ、7月から募金活動も行った。自身が営む医院に募金箱を設置したほか、歌手のコンサート会場にも直接赴き、募金を呼び掛けた。CDは1000円以上寄付した人に無料で贈呈した。「日本にも災害被害者が多いのになぜ韓国人を助けるのか」と冷たい反応を示す人もいたが、主に子どもを持つ女性らを中心に数百人が募金に参加した。募金を呼び掛ける上林さんの話を聞いた人の多くは涙を流したという。上林さんは24日に韓国を訪れる。募金で集まった100万円を、在日韓国大使館を通じ紹介を受けた慈善団体「希望ブリッジ全国災害救護協会」に寄付するためだ。この日はセウォル号事故で多くの生徒と教師が犠牲となった檀園高校がある京畿道・安山で自作曲を披露する予定だ。翌25日にはソウル・フォームテックワークスホールでチャリティーコンサートを開く。
日本語ヴァージョン www.youtube.com/watch?v=XOL9p1-3RwQ
韓国語ヴァ―ジョン www.youtube.com/watch?v=SNBLgMDAMVw