韓国大統領秘書室長に前駐日大使

2015年02月27日 17:53

韓国の青瓦台(청와대:大統領府)は27日、朴槿恵(パク・クネ:박근혜)大統領の秘書室長(비서실장)に情報機関・国家情報院(국가정보원)の李丙ギ(イ・ビョンギ:이병기)院長(67)を起用する人事を発表した。大統領秘書室長(비서실장)は事実上、首相と並ぶ主要ポスト。青瓦台の閔庚旭(ミン・ギョンウク:민경욱)報道官は「国際関係や南北関係に詳しく、政務能力とリーダーシップを備え、大統領秘書室を統率して山積する国政課題について大統領を補佐し、国民と青瓦台の疎通の道を切り開くことが期待される」と人選の背景を説明した。金淇春(キム・ギチュン:김기춘)前秘書室長をめぐっては、相次ぐ首相や閣僚人事の失敗や青瓦台内部文書の流出問題などで責任があるとして、野党だけでなく与党内からも交代を求める声が出ていた。今回の人事で、李完九(イ・ワング:이완구)首相の任命や青瓦台の組織改編、内閣改造などを終え、内部文書流出事件後に続けてきた組織改革が一段落することになる。下馬評にあがっていなかった現職の国家情報院長(국가정보원장)を起用するサプライズ人事は、国政運営と外交に変化を与えるとの朴大統領のメッセージと受け止められる。李丙ギ氏(이병기)は外交官出身で、1985年に当時の民主正義党(민정당)の総裁補佐役(총재보좌역)として政界入りした。国家情報院の前身である国家安全企画部の第2次長(국가안전기획부 2차장)などを歴任。2007年にハンナラ党(한나라당:現セヌリ党:현 새누리당)の大統領選予備選で朴槿恵陣営の選挙対策副委員長(선거대책부위원장)に起用され、12年の大統領選では党のシンクタンク(당 싱크탱크)、汝矣島研究所(여의도연구소:現汝矣島研究院:현 여의도연구원)顧問(고문)として、朴大統領の助言役を務めた最側近の一人。慶応大(게이오대)客員教授(객원교수)の経験もある日本通(일본통)で、朴政権発足後の1 3年に初代の駐日大使(주일 대사)に抜てきされ、冷え込んだ両国関係の改善に取り組んだ。14年から国家情報院長(국가정보원장)を務めた。