韓国の民族学者 日中韓台所文化を語る

2015年06月28日 22:11

韓国の国立民俗博物館長(국립민속박물관장)を務めた民俗学者、金光彦(キム・グァンオン:김광언)仁荷大名誉教授(인하대 명예교수:76)が先ごろ、日中韓の台所文化の共通点と違いを分析した書籍『東アジアの台所(동아시아의 부엌』)を出版した。かまど、釜、スプーン、箸など、3カ国の台所に必ずある物や台所という空間について、語源やことわざ、シンボルの分析を通じて解説している。図版が添えられた書籍は全734ページ。金氏は1969年、国語辞典に農機具の名前が増える契機になった著書『韓国の農機具』を著した。最近は『東アジアのトイレ(동아시아의 뒷간)』(2002年)や『東アジアの遊び동아시아의 놀이』(04年)など、「東アジアの民俗学(동아시아 민속학)」シリーズに打ち込んでいる。金氏は「私たちの生活になくてはならないのに学問的な関心が薄いテーマに引きつけられる。誰も研究していないテーマのため、他人と競う必要のないことがメリットだ」と話す。金氏によると、日中韓の台所は一見すると似ているようだが、よく見ると違いがはっきりしているという。中国と日本ではスプーンが次第に姿を消し、箸が主に使われるようになったが、メニューが汁物中心の韓国ではスプーンは依然としてなくてはならない存在だ。中国と日本のかまどは単に調理をする場であり、暖房とは関係がない。だが、オンドルを使う韓国では暖房機能が重要になるため、常にかまどを部屋の片側にくっつけていた。台所の神様(荒神)も中国や日本では男性や女性の形相だが、韓国では毎朝主婦が家族の安寧と安泰を祈るためきれいな水を供える器や、その水を指すことが多い。