韓国の文化財 管理状態が深刻

2014年08月10日 15:20

韓国の国宝・宝物など指定(登録)文化財7393件のうち23%は、管理・保存状態が極めて悪いことが明らかになった。昨年、崇礼門(숭례문)(南大門)の復元工事をめぐる手抜き問題が起こったため、文化財庁は各市・道と共に5カ月かけて、野外にある建造物文化財や安全施設が不十分な寺社(사찰)・書院(서원)(歴史的な民間教育機関)・門中(문중)などの遺物所蔵先47カ所・7393件を対象に総合実態点検を行った。その結果、22.8%に当たる1683件は、構造上の欠陥があったり保守整備・緊急措置が必要だったりすることが分かった。文化財庁が7日に発表した。文化財庁は、破損度・危険度および管理状態などによって文化財の状態を6等級(A-F)に分類した。このうちD-Fは、対策が至急必要な状態に当たる。D等級は構造的欠陥などで定期モニタリングが必要(183件)、E等級は保守整備が必要(1413件)、F等級は直ちに修理が必要(87件)な文化財を意味する。慶尚北道慶州市にある石窟庵(国宝第24号)と瞻星台(国宝第31号)はD判定を受けた。石窟庵の石窟は、台座部分や天井に亀裂があり、今年中に精密安全診断を行う予定だ。瞻星台は、部材に緩みや亀裂があり、表面がコケなどによって汚染され、また岩石自体の成分変化に伴って褐色になる現象が見られた。点検団は「亀裂部分の接合、表面の汚染物の除去が必要」と説明した。忠清南道瑞山市の浮石寺無量寿殿(国宝第18号)、慶尚南道陜川の海印寺蔵経板殿(国宝第52号)、全羅北道益山の王宮里五層石塔(国宝第289号)は、さらに深刻なE判定を受けた。浮石寺無量寿殿では、あちこちにひびが入り、柱が破損したり壁の部材が落下したりしていることが確認され、保守整備が必要と診断された。海印寺蔵経板殿では、柱の下部に湿気が見られ、王宮里五層石塔では、石塔の部材がかなり落下し、屋蓋(おくがい)石が割れていることが分かった。