韓国の「土用の丑」

2016年06月21日 14:01

韓国には「伏日(ポンナル:복일)」といって、暑気払いで滋養食を食べる日がある。日本でいうところの「土用の丑の日」だ。伏日は毎年7月から8月にかけて全部で3日あり、それぞれ初伏(チョボッ:초복)、中伏(チュンボッ:중복)、末伏(マルボッ:말복)と呼ばれている。また、3回の伏日を合わせて「三伏(サムボッ:삼복)」というが、初伏から末伏までの三伏삼복の期間は、1年で最も暑い時期。そのため、この時期の暑さ(韓国語で「トウィ(트위)」)のことを、特に「サムボットウィ(삼복 트위)」と言ったりもする。1年で最も昼間が長い夏至の日から3番目の庚(かのえ)の日を初伏、4番目の庚の日を中伏、そして立秋を過ぎて最初の庚の日が末伏となる。旧暦のため毎年日付が変わるが、大体7月中旬から8月中旬。2016年は、初伏は7月17日、中伏が7月27日、末伏が8月16日となる。日本の「土用の丑」は、「夏バテ防止のために鰻を食べる日」として認知されているが、韓国の伏日はどんな風習があるだろうか?今から約600年前の朝鮮時代には、暑さを避けるため、食べ物や酒を用意して、渓谷などに遊びに出かけていたといわれている。宮中では、高位官吏たちに冷たい氷菓子や宮廷の氷貯蔵庫から氷を持っていくことを許可する「氷標(ピンピョ:빙표)」が与えられた。昔から民間では、伏日の暑さに負けないよう、参鶏湯(サムゲタン:삼계탕)や補身湯(ポシンタン:보신탕)など栄養のつくものを食べる習慣があった。今日でも滋養食を食べる習慣は残っていて、毎年伏日には参鶏湯(삼계탕)や補身湯(보신탕)の専門店は大盛況だ。