金圭泰画伯 富山県砺波市で絵画展開催

2014年06月15日 21:13

ブラジル国籍で、日本とアメリカで活動をしている金圭泰(김규태)画伯の絵画展が6月15日から17日まで砺波文化会館多目的ホールで開催された。金圭泰(김규태)画伯は1952年韓国江原道に生まれ、結婚して32歳でブラジルのサンパウロに移民した。無謀にも大した準備もなく渡り、住んでみて後悔したという。言葉に尽くせない苦労を味わったブラジルでの活動は水墨画を描くことと教えることだけだったが、苦労の末に国立博物館で個展を開催するほどまでになり、ITU大学でブラジルの学生相手に教鞭をとるなど画家としての地位を築いてゆく。2001年にはブラジルの国家諮問委員会であるO.P.Bの文化賞を受賞し、文化部門の諮問委員に選出される。O.P.Bの称号を貰えばブラジルではVIPの待遇となる。金圭泰(김규태)画伯は以前は水墨画を描いていた。それが一夜にして原色が彼の絵を支配したのである。それまでは題材や構図や内容を頭で考えて描き、幾度も失敗していたのだが、2007年のある日を境に絵を描くために考えることをやめ、頭に思い浮かぶままに自然に絵筆を運ばせるようになったと言う。それはまるで天から降り注いできたものを受け止めるような行為であった。即ち自分以外の何か大きな力に動かされて描いたのだ。彼の原色は東洋の色彩哲学「五方色」を基本としているが、金圭泰(김규태)画伯はその論理をマスターして意識的に描き始めたのではなく、描いたあとからその意味合いを知るという形だ。たとえそれが自然や現実世界に充満しているものだとしても、降り注ぐようなインスピレーションとして受け止めるときに芸術的となるとのことである。絵画展は大変盛況で、絵からが降り注ぐエネルギーで観覧者は圧倒されていた。