独立運動家・尹奉吉を悼む詩発見 

2014年12月11日 18:50

日本統治時代に旧日本軍首脳部に爆弾を投げつけ処刑された韓国の独立運動家독립운동가・尹奉吉(ユン・ボンギル:윤봉길、1908~1932)に対し、中国の軍人が尹の死をあらかじめ悼んだ漢詩が見つかった。尹に関する記念事業を展開する梅軒記念館(매헌기념관장:ソウル市)は11日、同記念館が収集した資料の中から林毅強という中国軍人が書いた詩を発見したと明らかにした。詩の出所は1932年に中国で発刊された軍事雑誌の末尾に収録された記事の「韓志士尹奉吉伝略(한국 지사 윤봉길의 짧은 전기)」。尹は同年4月29日、中国・上海の虹口公園で行事を開いていた旧日本軍首脳部に爆弾を投げつけ、同年12月19日に日本で処刑された。詩の作者は「参謀本部高級参謀林毅強(린이창)」と記されている。記事の中に「尹奉吉烈士の死を前もって悲しむ(윤봉길 열사의 죽음을 미리 슬퍼하며)」という説明がついていることから、処刑前に書かれたと推定される。定型の漢詩ではなく、「霹靂起春申、一弾未鎖国亡恨 精忠報箕子、千秋争説死人香(雷眠っている春を起こす、爆弾一つが亡国の恨みを開いた、精誠と忠誠を朝鮮の至る所に知らせて行く人の香りが長く記憶される(천둥소리가 잠든 봄을 일깨웠으니, 폭탄 하나가 갇혔던 망국의 한을 열어젖혔노라 / 정성과 충정을 조선 천지에 알렸으니, 가신 이의 향기가 길이 기억되리라)」となっている。同記事には、尹が中国に亡命した後、青島に着く前に旧満州地域の独立運動拠点を見て回ったことを示す内容もあり韓国独立運動史にとって貴重な資料となる。上海天長節爆弾事件とも言われる尹の爆弾投げ込みは、独立を願う朝鮮半島の人たちの意志を世界に知らしめ、独立運動に転機をもたらしたとされる。