潘基文氏は太陽政策の継承者

2015年11月24日 15:20

国連の潘基文(パン・ギムン:반기문)事務総長(유엔 사무총장)が近く訪朝をすると伝えられたことを受け、韓国では野党からも潘氏が「対北朝鮮融和政策である太陽政策の継承者(햇볕정책의 계승자)」だとの声とする「潘基文待望論(반기문 대망론)」が浮上している。政界からは「与野党を問わず、ふさわしい大統領候補がいない陣営が争うように『潘基文カード(반기문 카드)』をたきつけている」との声もある。野党・新政治民主連合(새정치연합)の朴智元(パク・チウォン:박지원)国会議員は23日、本紙の電話取材などに対し、「潘事務総長の側近は彼が保守的だと見ているが、太陽政策を信奉する人物だ」と述べ、現在の野党との関係性を強調した。潘事務総長は盧武鉉政権(노무현 정권)当時、韓国大統領府の外交補佐官(청와대 외교보좌관)、外交部長官(외교부 장관)を務めた。朴議員をはじめとする故金大中(キム・デジュン:김대중)元大統領系(東橋洞系:동교동계)の勢力はこれまでも潘事務総長サイドとの「連携論」を主張してきた。朴議員は「与党セヌリ党(새누리당)の親朴槿恵(パク・クンヘ:박근혜)勢力が『潘基文大統領プラス親朴槿恵派の首相(반기문 대통령+친박 총리)』というツートップ構想に言及したことに潘事務総長の最側近が不快感を示したと聞いている」と語った。その上で、「潘事務総長を実権がなかった崔圭夏(チェ・ギュハ:최규하)大統領のようにしてはならない」と述べ、断固反対を表明した。1979年の朴正熙(パク・チョンヒ:박정희)元大統領射殺事件以降、80年にかけ大統領を務めた崔圭夏(최규하)氏も外交官出身だった。朴議員は自ら潘事務総長サイドの大統領選出馬プランについて、「セヌリ党(새누리당)ではなく、新政治民主連合(새정치연합)の党内選考に加わるべきだと決めたようだ」と述べた。その背景については、かつて金大中(김대중)氏と金鍾泌(キム・ジョンピル:김종필)氏が連携した「DJP連合」をモデルに潘事務総長と東橋洞系が連携する「新DJP連合」構想があることに触れ、「新DJP連合に基づき、潘事務総長が大統領候補になれば、忠清道と首都圏でかなりの得票が得られるとの計算がある」と指摘した。これに先立ち、新政治民主連合(새정치연합)の権魯甲(クォン・ノガプ:권노갑)常任顧問も昨年11月、「数カ月前から潘事務総長サイドが新政治民主連合(새정치연합)の大統領候補として出馬したいと打診してきている」と述べた経緯もある。