漢字教育は反民族行為なのか?

2014年06月16日 19:08

「ハングルは世界で最も立派な文字であり、韓国の誇りにして宝だ。(中略)漢字の混用は、日本による植民地時代に行われた植民地教育の名残であって、最近復活しつつある韓国の自主文化と『韓流(한류)』の風を遮る反民族行為」。これは、ハングル関連諸団体が昨年3月に発表した「小学校での漢字教育は絶対にいけない」と題する声明書の一部だ。ハングルだけで表記することが民族的自主性を守る行為だと主張し、漢字の早期教育に反対している。多くのハングル専用論者が唱えるこうした見解は、韓国文化の一部となって久しい漢字を「外来文化」という理由で排斥するもので、「被害意識にとらわれた文化鎖国主義」と批判されている。シム・ジェギ(심재기元国立国語院長(ソウル大学名誉教授:서울대명예교수)は、この声明書に反論して「自分のことだけに固執せず、柔軟かつ開かれた姿勢で外部の文物を受け入れられるとき、その民族の発展は保障される」と語った。またソウル大学国語教育科に所属する米国人のロバート・ファウザー教授は昨年、あるメディアに寄稿した記事で「現在は、開かれた姿勢で文化的交流を行うと同時に、自国について深く理解することが要求される時代。ならばなおのこと、韓国語の文字から漢字を排除する理由はない」と主張した。「漢字混用は植民地時代の名残」という主張も、韓国の歴史における漢字使用の役割を無視したものだと批判されている。訓民正音が作られた当時、「竜飛御天歌(용비어천가)」「月印千江之曲(월인천강지곡)」などの歌は、漢字語は漢字で、固有語は訓民正音で、それぞれ区別して記述されていた。金昌辰(キム・チャンジン:김창진)草堂大学教授(国文学)は「世宗大王(세종대왕)に始まるハングルと漢字の混用は、朝鮮王朝はもちろん開化期、植民地期、さらに日本の植民地支配からの解放後1980年代まで、韓国語の文字表記の主流だった」と語った。