機内サービスに不満 大韓航空副社長「事務長降りろ」

2014年12月10日 18:27

離陸準備中の旅客機で乗務員に降りるよう命じた趙顕娥(チョ・ヒョンア:조현아)大韓航空副社長(대한항공 부사장)(40)に対し、政府が告発を検討中だ。 趙副社長(조 부사장)は5日(現地時間)0時50分ごろ、米ニューヨークJFK空港で仁川行きKE086旅客機に搭乗した。趙副社長(조 부사장)は航空機が動き始めた後、乗務員のサービスを問題視し、常務事務長を機内から降ろし、出発・到着時間を遅延させた。国土交通部は航空保安官・安全監督官を通じて、当時航空便に搭乗した乗客と乗務員に対する調査を始めたと8日、明らかにした。趙副社長(조 부사장)の行為が航路変更や運航阻害につながったという調査結果が出れば、国土部は趙副社長を検察に告発または捜査依頼する方針だ。趙副社長(조 부사장)の指示のため、搭乗口を離れていた旅客機は「「トーイングカー」(飛行機を移動させる車)でまた搭乗口に戻されたことで、離陸と到着が10分ほど遅れ、乗客約250人に影響が生じた。大韓航空(대한항공)などによると、当時ファーストクラスに乗っていた趙副社長(조 부사장)は、ナッツを配っている乗務員に「マニュアル通りサービスしていない」と指摘した。先に乗客の意向を尋ね、皿にのせて出すべきだが、袋ごと渡した点を問題視したという。趙副社長(조 부사장)はその後、機内サービスの責任者である事務長を呼んでサービスマニュアルを確認させたが、事務長が答えられなかったため「飛行機から降りなさい」と指示した。 国土部の関係者は「趙副社長(조 부사장)が役員の地位を利用し、飛行機の方向を変更させたとすれば、これは事実上『脅迫による機器操作』と見なすこともできる」と述べた。現行の航空保安法によると、不当な圧力で運航中の航空機の経路を変更した者は1-10年の懲役刑を受けることもある。AFP・ロイターなど海外メディアは今回の事件を「ナッツ回航事件(Nuts Incident)」と表現しながら大きく扱った。英ガーディアンは「堅果類を皿にのせないという大問題を起こしたという理由で、趙副社長(조 부사장)が該当乗務員を叱った」と皮肉った。趙副社長(조 부사장)の越権行為という非難世論が強まると、大韓航空(대한항공)は8日晩に立場資料を出し、「非常状況ではなかったにもかかわらず航空機が引き返して乗務員を降ろした点は行き過ぎた行動であり、これによって乗客の方々にご迷惑をおかけしたことをお詫びします」と明らかにした。しかし大韓航空(대한항공)側は「航空機は搭乗口から10メートルも移動していない状態で安全に問題はなく、事務長はマニュアルを使用できず弁解と偽りでごまかした」とし「趙副社長は機内サービスと機内食の責任を担う役員とし、問題提起および指摘は当然のこと」と説明した。