桑田佳祐の歌

2015年01月11日 17:15

1995年夏、日本の人気ロックバンドが「LOVE KOREA」という曲をリリースした。「チゲ(찌개)」「キムチ(김치)」と「直撃弾」を飛ばした。桑田佳祐(58)と、彼が率いるバンド「サザンオールスターズ(사잔올스타즈)」のことだ。1978年にデビューした桑田は、韓国で例えるなら「チョー・ヨンピル(조용필)」クラスの大物人気歌手だ。異なる点があるとすれば、今も彼が新曲を出せば間違いなく音楽ランキングの1位になるということだ。音楽的にも社会的にも絶対的に尊敬されている桑田が2013年夏、安倍政権の暴走ぶりを批判した『ピースとハイライト』をリリースするや、日本社会は騒然とした。そして昨年末に桑田が見せた「反安倍パフォーマンス」はさらに議論を呼び、彼に対する中傷が増えた。しかし、桑田はやめなかった。彼はこのほど、公式ホームページに3月リリース予定の新曲『平和の鐘が鳴る』の歌詞を事前公開した。今年は韓国にとっては日本統治からの開放70周年、日本にとっては敗戦から70周年だ。桑田は「過ちは二度と繰り返さんと/堅く誓ったあの夏の日/未だ癒えない傷を抱えて/長い道を共に歩こう」と歌う。桑田の歌は慰安婦強制動員などの明白な歴史的事実すら否定する日本に自省を促す。こうした状況のため「天下の桑田」もコーナーに追い込まれている。「あんな歌は日本ではなく韓国でまず歌え」「また反日の歌か」「お前、在日韓国人じゃないの?」…。毎日悪質な書き込みがネット上に飛び交っている。桑田は韓国にも大勢のファンを持つが、来韓公演はまだない。韓日両国共に意義深い今年、ソウルで桑田のステージを見てみたいという韓国人は多い。桑田と意思を同じくする両国の歌手がステージにそろって立てば、両国国民の閉ざされた心を開く「平和のコンサート」になるかも知れない。ソウル公演の成功は、東京公演につながる可能性がある。今、日韓間には形式的な首脳会談よりも歴史と現実に踏み込んだ人々の連帯の方が切実に必要とされている。

www.youtube.com/watch?v=CNhi9u4RgK4

www.youtube.com/watch?v=Mg60GLEcymM