李承晩英文日記を完訳

2015年05月26日 18:35

「われわれ韓国は、国際社会で泣いている子どもと同じだ。われわれが望むのは、正義と公正だけだ。泣く子は、時や場所をわきまえない。韓国は、諸大国が集まりさえすれば、時も場所もわきまえることなく泣き立てるだろう。これは1944年9月、当時米国で独立運動を繰り広げていた李承晩(イ・スンマン:이승만)元大統領が国務省の高官と会った際に語った言葉だ。この席で、米国の官僚は「カイロ宣言で韓国の独立を約束したので、今必要なのは少しの忍耐だけ」と語った。しかし李元大統領(이 전 대통령)は「適切な手続きにより(in due course)」韓国の自由と独立を保障するとしたカイロ宣言の文言に懸念を示し、このように問い返した。「まさにその3語、『in due course』という文言が、われわれ(韓国)を再び30-40年にわたって憂鬱にさせかねない。なぜ連合国は、われわれを実質的に助けたり激励したりして、自分たちの真心を示そうとしないのか」。李元大統領は、国務省の官僚と会った当時の記録を、44年9月1日付の日記に細かく記した。李元大統領(이 전 대통령)の独立運動について記録された英文の日記が、韓国で初めて完訳・出版される。延世大学李承晩研究院(연세대 이승만연구원)(柳錫春〈リュ・ソクチュン:류석춘〉院長)は「李元大統領(이 전 대통령)が1904年から34年までと44年の計31年にわたりつづっていた英文日記영문일기の翻訳作業を終え、今年7月に韓国語版、英語版、日記原本をそのまま写した影印本の計3種類を出版する予定」と発表した。この日記は、A4用紙基準で200ページにもなる。李元大統領(이 전 대통령)が33年に上海臨時政府全権大使(상하이 대한민국임시정부 전권 대사)の資格で、ジュネーブ(제네바)で開かれた国際連盟の会議국제연맹 회의に出席し、中国と「反日共同外交活動(반일 공동 외교활동)」を繰り広げたことや、44年に韓国独立(한국 독립)の時期や方法をめぐって国務省の官僚と繰り広げた論争などが記録されている。この日記は、李元大統領(이 전 대통령)の養子、李仁秀(イ・インス:이인수)氏が97年に延世大学(연세대)へ寄贈した資料の一つで、延世大学李承晩研究院(연세대 이승만연구원)は、2012年から3年かけて翻訳作業を進めた。