朴大統領の15日演説に見る対日、対北政策

2013年08月16日 21:21

安倍晋三首相は15日、政府主催で開かれた「全国戦没者追悼式」の式辞で、「アジア諸国に対する加害と反省」に言及しなかった。「加害と反省」は、1993年の細川護熙首相以降、歴代首相がこの行事で欠かさず述べてきた表現だったが、「歴史に対して謙虚に向き合い、学ぶべき教訓を深く胸に刻む」とのみ話した。 韓国の朴槿恵(パク・クネ:박근혜)大統領はこの日、光復節の演説で、「過去を直視しようとする勇気と相手の痛みに配慮する姿勢がなければ、未来に進むための信頼を築くのは難しい」と強調した。「両国国民が望むように、日本の政治家は過去の傷を治癒していく勇気あるリーダーシップを見せなければならない」と促した。また、朴大統領は独島(ドクト:독도、竹島)問題では一歩も退かないことを明言した。高麗末の学者・李嵒(이암)(1297-1364)の「国は人間の身体、歴史は魂(나라는 인간에 있어 몸과 같고 역사는 혼과 같다)」という言葉を引用し、身体は独島を話すもので、日本の独島認識と歴史歪曲に対する遠回しの批判を展開した。その上朴大統領は「過去の歴史による苦痛と傷を抱えて生きている人たちの痛みを治癒することができるよう、責任・誠意ある措置を期待する」と述べ、事実上、日本軍慰安婦に対する謝罪と補償も要求した。 しかし朴大統領は感情的な表現ではなく、婉曲的な言葉で日本の正しい選択に圧力を加えた。日本は「北東アジアの平和と繁栄をともに開く重要な隣国」と述べたうえで、自らの「北東アジア平和協力構想」への参加を求めた。朴大統領は「北東アジア地域は経済的な相互依存は増大しているが、歴史と領土をめぐる葛藤はむしろ深まる逆説的な状況」とし「北東アジア国家が“多者間対話”の枠を作り、可能な分野から信頼を築き、安保など他の分野に協力の範囲を広めていこう」と提案した。朴大統領が日本に対して批判一色ではなく、日本の政治と国民を分離して接近したことは、日韓首脳会談など関係改善の余地を考慮したようである。朴大統領はこの日、北朝鮮に対し、柔軟な姿勢を見せた。朴大統領は「開城工業団地の合意を契機に過去の南北関係の誤った慣行を正し、共生の新しい南北関係が始まることを希望する」とし「この秋夕(チュソク:추석、中秋)前後に南北離散家族が対面できるよう、北朝鮮が心の扉を開くことを望む」と述べた。「分断と対決の遺産である非武装地帯(DMZ)に世界平和公園を造成することを北朝鮮に提案する」とも話した。このDMZ平和公園構想は、南北の和合と統一に意義深い一歩になるといえよう。