朝鮮美術を愛した柳宗悦展がソウルで開催

2013年05月24日 18:12

韓国・ソウルの徳寿宮美術館(덕수궁 미술관)(国立現代美術館分館:국립현대미술관 분관)で5月25日から、朝鮮美術を愛した日本人民芸運動家の柳宗悦(1889―1961)が収集した美術品などを集めた「柳宗悦展」がスタートする。柳が創設した日本民藝館の所蔵品や資料139点が展示される。 柳は1919年(大正8年)3月1日に朝鮮半島で勃発した三・一独立運動に対する朝鮮総督府の弾圧に対し批判した。当時、日本の文化人が朝鮮文化に興味を示さない中、朝鮮美術とりわけ陶磁器に注目し、朝鮮の陶磁器や古美術を収集した。1924年(大正13年)には京城(現ソウル)に朝鮮民族美術館を設立した。朝鮮民画など朝鮮半島の美術文化にも深い理解を寄せ、京城において道路拡張のため李氏朝鮮時代の王宮である景福宮光化門が取り壊されそうになると、これに反対抗議する評論を雑誌に寄稿した。これが大きな反響を呼び、光化門は移築保存された。1916年に柳が初めて朝鮮半島を訪問し、釜山の古物商から購入した「鉄砂雲竹文壺」などの朝鮮工芸品や、日本の木喰上人作の「虚空蔵菩薩像」など多彩な作品が展示される。1919年に朝鮮半島で三・一独立運動が起こると柳は読売新聞に「朝鮮人を想う」と題する文章を連載し、独立運動の正当性を訴え、朝鮮総督府による朝鮮人弾圧や同化政策を批判した。期間は7月21日まで。