朝鮮を愛した浅川兄弟の日韓合同追悼式
韓国の市民団体「李秀賢義人の文化財団設立委員会(이수현 의인 문화재단설립위원회)」が2日午後、ソウルの公共墓地、忘憂里公園墓地(망우리공원묘지)に眠る浅川巧(아사카와 다쿠미:1891~1931年)の墓前で、浅川と浅川の兄で朝鮮陶磁器研究家の浅川伯教(아사카와 노리다카)の追悼式を日本側と合同で行った。式には両国から約50人が出席した。浅川は朝鮮民芸と陶芸の研究・評論家で、1914年に家族と共に朝鮮に渡り、朝鮮総督府の林業試験所職員として造林に取り組むかたわら、朝鮮の文化に愛情を注いだ。ハングルを学び、月給をやりくりして奨学金を出すなど、朝鮮人を積極的に支援したとされる。1931年に急性肺炎で亡くなると、遺言通り朝鮮に埋葬された。2012年には功績をたたえる映画「道~白磁の人~(백자의 사람 조선의 흙이 되다)」が公開された。李秀賢(이수현)義人の文化財団設立委員会は、2001年に東京の駅のホームから落ちた男性を助けようとして亡くなった韓国人留学生、李秀賢(イ・スヒョン:이수현)さんをたたえる文化財団の設立を目指している。今年の正式発足に向け韓日の親善を深めようと、日本による植民地時代に朝鮮に尽くした浅川の追悼式を開催した。追悼式には委員会関係者のほか、浅川兄弟(아사카와 형제)の出身地である山梨県北杜市(야마나시현 호쿠토시)から市民8人が、韓国の清涼高から生徒11人が参加した。同校では教育の一環として浅川兄弟(아사카와 형제)について紹介しているという。日本側の関係者は、今でも浅川巧(아사카와 다쿠미)のことを考えてくれている人がいるという点をありがたく感じるとした上で、この追悼式が今後の韓日関係の縁を強くする契機になってほしいと述べた。追悼式に出席した最大野党・新政治民主連合の朴洪根(パク・ホングン:박홍근)国会議員は「浅川兄弟(아사카와 형제)は現在のように韓日関係が冷え込んでいる時、両国国民に教訓をあたえる正義の人」とたたえた。同委員会の委員長は追悼の辞で、「われわれは生まれた国と民族により、互いを区分し、境界を引き、壁をつくる利己的な時代に生きている」とした上で、「浅川兄弟(아사카와 형제)はその壁を越え、境界を超越した人生を送った」と述べ、浅川兄弟(아사카와 형제)の功績をたたえた。