日韓関係、米の働き掛けで改善なるか
2014年02月14日 17:01
米国が日韓両国に関係改善を求める動きを強める中、両国関係に変化が表れるのかに注目が集まる。来韓したケリー米国務長官は13日、ソウルで「過去よりも今が重要」としながら、日韓関係改善に向け本格的に取り組んでいくとの考えを表明した。米紙ワシントン・ポスト(電子版)は11日の社説で「米当局者は安倍晋三首相が改革者なのかナショナリストなのか、判断に迷っている」と伝えた。歴史問題で日本が北東アジア情勢の不安定を招き、日韓対立の原因をつくっているというのが米側の見解であるためだ。だが、米国は韓国に対しても関係改善を求めてくるとみられる。米国の強い要求を受けた日韓両国は、これを無視することはできないため一時的に交流が再開する可能性もあるとする見方が現れ始めた。また、安保問題を切り口に米国が対話を呼びかける可能性もあるという指摘も出ている。韓国政府も谷内正太郎国家安全保障会議(NSC)局長の来韓や、日米韓の6カ国協議首席代表間の協議については原則的に反対していない。そのため、日本が歴史問題に対する強硬姿勢を控えれば、両国間の高官級安保交流が再開することもあり得る。一部では、オバマ米大統領のアジア歴訪を前に日韓首脳の電撃的な会談もあるとの見方が出ているが、韓国政府当局者はその可能性を事実上否定した。オバマ大統領の4月の日韓両国訪問までに、「竹島の日」(2月22日)、3・1独立運動記念日、日本の教科書検定(3月末)、靖国神社春季例大祭(4月)などが控え、両国の対立局面は少なくない。このため、関係改善で大きな進展が得られない可能性も高いが、今後の動向に注目すべきである。