日本人学者が描いた1920年代の朝鮮
2017年01月25日 16:31
韓国・ソウル歴史博物館(서울역사박물관)はこのほど、日本の学者が描いた1920年代の朝鮮の民家や生活のスケッチを収めた「今和次郎フィールドノート学術叢書(1920년대 조선 민가와 생활에 대한 소묘-콘 와지로 필드 노트)」を刊行した。今和次郎(콘 와지로:1888~1973)は早稲田大理工学部建築学科の教授を務め、考現学(고현학:modernology)を提唱した。考現学とは変動の激しい時代の風俗や世相を調査・記録して資料に残し、分析する学問だ。今和次郎(콘 와지로)は1922年、23年、24年、44年の4度にわたって朝鮮を訪問し、民家、建物、工場など建築物の外観・内部のスケッチと写真を残した。今回出版される叢書には、22年と24年の調査で描かれたスケッチと写真約180点と、これを研究した学者の小論文4編が収められている。小論文は工学院大(공학원대학)の荻原正三(오기하라 마사미츠)名誉教授、韓国・漢陽大(한양대학교)で教鞭を執った冨井正憲(도미이 마사노리)氏ら3人、青山学院大(아오야마단기대학)の黒石いずみ(쿠로이시 이즈미)教授、 韓国国立劇場公演芸術博物館(국립극장 공연예술박물관)の崔錫榮(チェ・ソクヨン:최석영)館長によるものだ。ソウル歴史博物館は昨年、東京の工学院大(공학원대학)の図書館に所蔵されている未公開資料の中からソウル・朝鮮に関する今和次郎(콘 와지로)のスケッチと写真を発見した。同博物館の関係者は「叢書では20年代当時の朝鮮の人々の住居や生活の様子をかいま見ることができる」とし、「今後も知られざるソウルの痕跡を探していきたい」と述べた。