日本の評論家が説く「寂しさの力」

2015年04月19日 22:03

「寂しくても悲しくても私は泣かない」キャンディ・キャンディ(들장미 소녀 캔디)の歌ではない。ウォルト・ディズニー(월트 디즈니)、スティーブ・ジョブス(스티브 잡스)、坂本竜馬(사카모토 료마)、山口百恵(야마구치 모모에)など、その分野で大成した有名人のことだ。この人々は、誰よりも寂しい成長期を送ったが、寂しさを逆に「自分が生きていく原動力」にして成功した。日本の芸能界専門の評論家として30年以上も活動してきた中森明夫(나카모리 아키오)氏は、新刊「寂しさの力(외로움의 힘)」を通して、寂しさこそ人間が発揮し得る最も強い力だと語る。アニメーションで夢と幻想の王国「ディズニーランド(디즈니랜드)」を建設したウォルト・ディズニー(월트 디즈니)は、幸せの魔法があふれる彼の夢とは正反対の幼年時代を送った。貧しい農家の四男として生まれ、9歳まで字を習うこともできず、子どもに手を上げてばかりの父親のせいで2人の兄が家出するほど、家庭の雰囲気は悪かった。みすぼらしい事務室にしょっちゅう現れていたネズミを「ミッキーマウス」にするくらいに、ディズニー(디즈니)は寂しさを創造力のインスピレーションとして活用した。日本人が最も尊敬する人物、坂本竜馬(사카모토 료마)もまた、偉人とは「偉大なる孤独」だということを示している。薩摩藩と長州藩の同盟を引き出し、江戸幕府体制を天皇体制に転換する「大政奉還(대정봉환)」を実現し、日本の封建時代を終わらせた竜馬(료마)は、さまざまな分野で「初」という修飾語を手にしてきた。日本で初めて新婚旅行に出掛け、海運会社を初めて設立した。当時は認められず、死後100年たってようやく光が当てられるほどだったが、現代の日本人は、竜馬(료마)が寂しく歩んできた道に熱狂している。毎日新たな星が生まれては沈んでいく芸能界は、寂しさとの戦いで自らを鍛錬する「鋼鉄の精神力」だけが生き残る業界だ。1970年代に伝説の歌手として君臨し、21歳で結婚すると同時に引退を宣言した山口百恵(야마구치 모모에)は、父親と絶縁した母子家庭で育った。1990年代に一世を風靡した人気アイドルの酒井法子(사카이 노리코)は、母親が4人もいる複雑な家庭環境で成長した。