日本のテレビの中から消える韓国ドラマ

2014年03月15日 18:47

韓流ブーム한류03年、NHKがドラマ『冬のソナタ(겨울연가』を放送してから火が付いた。最終回の視聴率は関東地区で20.6%、関西地区で23.8%だった。関東地区で韓国ドラマの視聴率が20%を超えたのは、日本の放送史上初めてだった。『宮廷女官チャングムの誓い(대장금』『朱蒙-チュモン-(주몽』を経て、10年代には地上波・衛星放送を合わせて一日10本以上も韓国ドラマが放映されていた。韓国ドラマにハマった妻に夫が腹を立てるという話もよく聞かれた。若者たちはKPOPにハマった。K-POPコンテンツ輸出額は12年、2億ドル(現在のレートで約203億円)にまで達した。BIGBANG빅뱅は同年に16公演で77万人を集め、チケットは748億ウォン(約71億円)分売れた。11年夏には東京都内のフジテレビ(후지TV)本社前に日の丸を持ったデモ隊約2000人が集まった。「君が代(기미가요」を歌い、「韓国ドラマはもうやめろ(한국 드라마 이제 그만」と叫んだ。これが「反韓流(반한류」デモの始まりだった。デモ隊はフジテレビを「ウジテレビ(구더기TV)」、少女時代を「ゴキブリ(바퀴벌레」に例えた。フジテレビは翌年、韓国ドラマ枠「韓流α」を廃止した。TBSが韓国ドラマ枠「韓流セレクト(한류 셀렉트」を314日で終わりにしたという。NHKでも現在放映中の『トンイ(동이』が5月に終了した後は、イギリスのドラマを放送することに決めた。そうなれば、日本の5大地上波チャンネルから韓国ドラマ枠が消える。視聴率ダウンで広告収入が減り、円安で韓国ドラマ輸入価格が上がっているため採算が取れないのも理由だそうだ。しかし、それよりも1年以上続いている日韓両国間の政治的対立が背景にあると見るのが普通だろう。政治が文化にまで黒い影を落とすのを見ると、日韓の確執は尋常ではないという気がしてならない。