成年の日

2013年05月22日 21:34

韓国では毎年5月の第3月曜日が「成年の日(ソンニョネ ナル:성년의 날)」である。満20歳になる若者に、成人としての自負心と責任を与える日として、1973年に制定された記念日だ。日本の「成人の日」のように祝日にはならず、また各地で大々的な式典が開かれることもあるが、韓国ならではの方法で、親しい友達や恋人、あるいは家族と一緒に、成人としての新たなスタートを祝いことの方が多い。成人したことを祝う儀式は、今から約1100年前の高麗時代から存在していたといわれている。「成年礼(ソンニョルレ성년례)」と呼ばれる儀式のメインは、「冠礼(クァルレ:관례)」と「ケレ:계례」。「冠礼:관례」とは男の子が「カッ:갓」という冠をかぶること、「ケレ:계례」とは女の子が髪の毛を結い上げて「チョッ:쪽(まげのこと)」を作りかんざしをさす行為で、どちらも公式的に成人したことを示す意味がある。成人するということは、保護者に守られてきた未成年の立場を卒業し、自立した一人の大人として出発することを意味する。それまでにはなかった「開放感」と「自由」を手にする一方で、社会的な責任もついてまわるようになる。韓国では、成人すると同時に、居酒屋への出入り・飲酒の自由、タバコの購入・喫煙の自由、国防(兵役)の義務、参政権(選挙権・被選挙権)の付与、保護者の同意を得ずに婚姻できる権利、運転免許の取得可能等の権威と義務が生じる。