正恩氏　新年演説で自己批判

北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン：김정은）朝鮮労働党委員長（북한 노동당 위원장）が1日に発表した「新年の辞（신년사）」で、自身の「能力不足（능력 부족）」に言及するなど最高指導者として極めて異例の「自己批判発言자아비판」をした。背景には新たなイメージ戦略がありそうだ。金委員長は朝鮮中央テレビを通じ放映された新年の辞で、「いつも気持ちだけで、能力が伴わないもどかしさと自責の中で、昨年1年を過ごした。今年は一層奮起し、全力で人民のために多くの仕事をする決心をした」と述べた。北朝鮮の最高指導者が「能力不足능력 부족」など自らを批判する発言をするのは異例だ。最高指導者は過ちを犯すことなく、神格化されるとの統治理念に反するためだ。韓国の北朝鮮専門家たちは今回の金委員長の発言は「新たなリーダーシップ戦略」から出たものと分析した。高麗大統一外交学部の南成旭（ナム・ソンウク：남성욱）教授は「党大会により3代世襲を完成させたため、謙虚なふりをしても誰も挑戦できない。3代世襲の完了を誇示している」と分析した。住民に低姿勢で「誠実さ」を示し、住民思いの指導者を演出することで、住民の支持を得る戦略にもみえる。慶南大政治外交学科の金根植（キム・グンシク：김근식）教授は「住民に仕える首領、すなわち、幹部には厳格で、住民には寛大なリーダーということを訴えている」と指摘する。