尹奉吉に対する蒋介石の献詩を公開

2013年12月19日 19:09

今日は北陸にも縁が深い独立運動家の尹奉吉(ユン・ボンギル:윤봉길)の命日である。尹奉吉(윤봉길)を賛え蒋介石(장제스)元台湾総統が直接書いた献詩が18日に公開された。梅軒尹奉吉記念事業会(매헌윤봉길기념사업회)のユン・ジュ(윤주)館長は、「1960年代末に尹奉吉の伝記を出そうと資料を収集した。その際に蒋介石元総統に文をお願いし、献詩とともに『壮烈千秋(장렬천추)』という揮毫をともに送ってきた」と話した。蒋元総統は1932年に中国・上海の虹口公園で尹義士が水筒型爆弾を投擲した直後「中国の100万大軍もできないことを朝鮮の一青年がやり遂げたので感激だ」と話したエピソードでも有名だ。新たに公開された献詩は全28文字だ。蒋元総統は「別順逆弁是非明大義知生死留正気在天地之間取義成仁永垂不朽」と書いた。ユン館長(윤 관장)は「天理に従い抗うことを分別し/正しいか正しくないかを分別し/大義を明らかにし/生き死にを知り/正しい気勢を世に残し/天地の間に/義を取り体を捧げ良いことを成し遂げたので/業績は長く輝くだろう」と解説した。終わりには「中華民国57年3月27日蒋中正」と書き落款も押した。「蒋中正(장중정)」は蒋元総統の本名だ。尹義士に対する蒋元総統の関心は格別だった。1966年に当時の朴正熙(パク・チョンヒ:박정희)大統領が台湾を訪問した際に蒋元総統は「尹奉吉義士の家族は元気か?」と安否を尋ね、「帰国したらしっかり世話をするよう望む」と頼んだ。同年10月に尹義士の弟ユン・ナムウィ(윤남의)氏(2003年死去)が尹義士の息子のユン・ジョン(윤종)氏(1984年死去)とともに蒋元総統の招きで台湾に行った。ユン・ナムウィ(윤남의)氏の息子であるユン館長(윤 관장)は「当時1週間ほど滞在したと聞いた。台湾で双十節(쌍십절:中華民国建国記念日)行事も見て帰ってきた」と話した。尹義士の爆弾投擲で朝鮮侵略の元凶と呼ばれた上海派遣軍司令官の白川義則陸軍大将と海軍総司令官の野村吉三郎中将ら日本軍の将官が死傷した。この知らせを聞いて蒋元総統は大韓民国臨時政府に対し無関心だったそれまでの態度を変えたという。中国陸軍中央軍官学校に韓人特別班を設置するなど臨時政府の独立運動を積極支援した。