少女像問題 日韓双方で関係改善促す声
韓国・釜山の日本総領事館前に旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する少女像(소녀상)が設置されたことへの対抗措置として長嶺安政(나가미네 야스마사)・駐韓日本大使(주한 일본대사)が一時帰国してから9日で1カ月になる。少女像問題は出口が見えない状況だが、日韓関係改善を促す声が両国で出始めた。自民党の二階俊博幹事長(니카이 도시히로 간사장)は7日の記者会見で、「駐韓大使の空白はできるだけ少ない方が良い」として、「早いうちに現地にお帰り頂くことを政府も考えているのでしょうが、当然早いうちの方が良い」と述べた。少女像소녀상が移転される前までは大使を帰任させないという安倍首相周辺の強硬論とは異なる二階氏の発言は、安倍政権内の役割分担の下で行われる出口模索の一環とみられる。一方、在日本大韓民国民団(일본대한민국민단)の代表団8人は6日、ソウルで尹炳世(ユン・ビョンセ:윤병세)外交部長官と面会し、日韓関係悪化により在日韓国人らが厳しい状況に直面しているとして、釜山の少女像(소녀상)の移転を求める要望書を手渡した。尹長官は「重く受け止める」として、関係改善に努力する考えを示した。民団は先月、少女像(소녀상)の移転を要求。このことは韓国内で波紋を呼んだ。だが、今回は在日韓国人の声にも耳を傾ける必要があるとの報道が出るなど、変化の兆しが表れた。外交関係者らは釜山の少女像問題について、慰安婦問題をめぐる2015年の合意に対する両国の認識の違いがもたらした問題であり、早期の解決は難しいとの見方を示している。ある外交筋は「10億円を出したのに日本の公館前に少女像(소녀상)がもう一つできた状況を日本人が受け入れるか」と話す。真摯な謝罪や反省を重視する韓国側の認識と、政治的な合意に基づく「最終的かつ不可逆的な解決」を重視する日本側の認識が食い違っており、少女像(소녀상)が移転されても同様の問題が再燃する可能性があるとの指摘もある。今月16~17日にドイツで開かれるG20外相会議、または17~19日のミュンヘン安全保障会議(뮌헨안보회의)に合わせて両国外相が会談し、関係改善を模索するかが注目される。尹長官は会議に出席すると表明しており、岸田文雄外相もG20外相会議に出席するとみられ、両氏がドイツで顔を合わせる可能性が高い。