対馬のもう1体の仏像 韓国市民団体が日本返還促す

2013年03月30日 23:22

日本の長崎県対馬市の神社と寺に安置してあった仏像2体が韓国に盗まれて持ち込まれた事件で、韓国の市民団体が29日、日本の重要文化財「銅造如来立像」を日本に返還するを計画を示した。市民団体「文化財チェジャリ戻し」は来月1日にソウル市内で記者会見を開き、世論とは反対に、銅造如来立像を日本に返還するのが妥当だという立場を表明するそうだ。仏像2体のうち対馬の観音寺にあった「観世音菩薩坐像」(長崎県指定の有形文化財)は、韓国の浮石寺(忠清南道瑞山市)が本来所有していたことが分かっているが、対馬の海神神社にあった銅造如来立像の場合、日本に持ち込まれた経緯を立証する記録が全くないことを理由に返還すべきとしている。同団体の代表は「文化財返還問題は鑑定結果を示しさえすればいいというものではない。銅造如来立像が良心と真実によって日本に戻されるならば、植民地時代に日本が奪い去った民族文化財の韓国返還に新たな道が開かれることになるだろう」と話す。観世音菩薩坐像については、1330年ごろに浮石寺でつくられ、1370年ごろに日本に略奪されたことが明らかになった。浮石寺は韓国の大田地裁に、像を保管する韓国政府に対して移転禁止を求める仮処分申請を行い、同地裁は韓国政府が日本への返還意志を示してはならないという判断を示した。