南北FTA締結後 単一の市場・通貨体制で経済統一

2014年08月03日 22:08

国立外交院が(국립외교원)作成した「2040 統一韓国のビジョン報告書2040 (통일 한국 비전 보고서)」では、韓国と北朝鮮が自由貿易協定(FTA)を締結して単一市場(단일 시장)、単一通貨体制(단일 통화 체제)を構築し、約10年で経済的に統一できるとの見通しが示された。政治的統一(정치적 통일)は、経済統一(경제 통일)直後の2030年ごろに統一憲法(통일헌법)をまとめ、総選挙・大統領選挙を実施する方法で進められると予想した。南北統一の第1段階は「朝鮮半島信頼プロセス(한반도 신뢰 프로세스)」を通じて南北が信頼関係を結び、交流と協力を深めるものだ。朴槿恵(パク・クネ:박근혜)大統領が今年3月に明らかにした「ドレスデン構想(드레스덴 구상)」を進め、南北政府間の会談を定例化することもこの過程に含まれる。ここでの最大の障壁は、北朝鮮の核問題だ。報告書は、北朝鮮が非核化に誠実な態度を見せれば交流や協力および経済共同体の段階に移行可能とした。国立外交院(국립외교원)の関係者は「第1段階に移行するまでにかかる時間は北朝鮮の核問題の実質的な進展具合によって変化する。早ければ3、4年以内にできると考える」とした。第2段階の経済統合は、三つの過程に分けられる。第一は「ビジョン・コリア・プロジェクト(비전 코리아 프로젝트)」の稼動だ。韓国政府がエネルギーや交通、通信など北朝鮮のインフラ建設を支援するもので、北朝鮮が核廃棄のための実質的手続きに入れば開始される。国際通貨基金(국제통화기금:IMF)やアジア開発銀行(아시아개발은행:ADB)など国際金融機構に北朝鮮が加入するよう促す一方で、北朝鮮の経済特区に対する大規模な直接投資が(남북교류협력사무소)も設置される。