北朝鮮の潜水艦ミサイル発射実験

2015年11月29日 22:56

韓国の政府筋によると、北朝鮮は28日午後、東海で潜水艦発射弾道ミサイル(잠수함 발사 탄도미사일、SLBM)の発射実験を行った。実験は失敗に終わったもようだが、来月11日に韓国と次官級の当局者会談(차관급 당국회담)を行うことで合意した直後の実験の意図に関心が集まっている。韓国軍当局によると、発射の際に分離されるミサイルの保護カバーの破片が海に浮いていることが確認されたが、ミサイルが飛んだ形跡はないという。北朝鮮は5月にSLBMの水中発射実験に成功したと発表し、映像を公開している。今回の実験について、韓国政府筋は「北はSLBMを開発している段階なので、今後も実験を行うだろう(북한은 SLBM을 개발하는 과정에 있기 때문에 앞으로도 계속 발사 시험을 할 가능성이 있다)」と話した。北朝鮮は今月11日から来月7日まで、東部元山沖合(원산 앞 동해상)に航行禁止区域(항행금지구역)を設定している。北朝鮮は韓国と当局者会談の開催で合意した26日の前から航行禁止区域(항행금지구역)を設定していたため、今回の実験が南北会談とは特に関係がないとの意見がある。一方、会談の主導権を握るための意図があるとの観測も出ている。東国大北朝鮮学科(동국대 북한학과)の金榕炫(キム・ヨンヒョン:김용현)教授は、「国際社会に軍事力を見せることで、自分たちが交渉を主導するとの意思を示したのだろう(국제사회에 대해서 군사적 능력을 보여줌으로써 북한이 주도하는 협상을 하겠다는 그런 의도가 깔려있다고 볼 수 있겠습니다)」と話す。金教授は北朝鮮が今後も実験を行う可能性があると指摘した上で、「実験の成果が出れば、当局者会談に悪い影響を与えるだろう」とした。