北の核実験と中国の苦悩

2013年02月13日 18:34

昨日から話題になり、号外まで出た12日の北朝鮮の核実験。韓半島の平和統一の願う者としても大きな事件であった。極東の不安定化は極東諸国の経済的信用度にも影響を与える。ただし、今のところ株価や為替相場、金融市場にも影響しなかったといえる。一番困っているのは中国だろう。覇権主義を唱える中国は米国の対中包囲戦略に対抗するカードとして北朝鮮を抱き込む戦略を取ってきたが、使えるカードがほとんどないということが、今回の核実験ではっきりした。かといって食糧や石油などの供給を中断すれば北朝鮮政権は崩壊に結びつく。これは中国が最も恐れる展開である。中国の北朝鮮擁護は日本の防衛費増強をはじめとする再軍備の絶好の口実となり、安倍首相は、米国などの同盟国が攻撃を受けた際に共同で防衛に当たる「集団的自衛権」の行使容認を推進している。北朝鮮の核実験は安倍首相の保守路線推進を強く促す結果を招いたといえる。これは中国が最も恐れる日米同盟の強化と対中包囲網の強化に繋がるものである。