加耶宝物の帰国展示会で模造品の金銅冠

2013年11月23日 17:36

慶尚南道梁山遺物展示館(경남 양산유물전시관)が日本に渡った文化財「夫婦塚金銅冠(부부총금동관)」を特別展示用として借りてくることができず、国内で作られた複製品を代わりに展示していることが最近、確認された。梁山遺物展示館(양산유물전시관)によると、夫婦塚遺物부부총 유물を所蔵する日本の東京国立博物館側は「運送中に金銅冠の装飾が落ちたりして破損するおそれがある」として貸与を断った。展示館側は「核心遺物の金銅冠を除いて展示することはできず、複製品を出した」とし「残りの夫婦塚遺物67点はすべて東京博物館から借りてきた本物」と明らかにした。展示遺物が出てきた夫婦塚は、梁山遺物展示館から約80メートル離れたところにある6世紀初期の加耶様式の貴族の古墳。植民地時代の1920年代、朝鮮総督府が発掘して遺物を日本に運んだ。その後、65年の国交正常化を推進し、日韓基本条約を締結するために文化財返還交渉を行う過程で、夫婦塚の遺物は日本に置くことにした。それを発掘地の梁山市が90日間借りて、先月15日から来年1月12日まで韓国で初めて展示をしている。しかし核心遺物の金銅冠は借りることができず、複製品を出したのだ。原因は昨年10月に韓国人2人が対馬の寺と神社から仏像2点を盗んだことが発覚した頃だったので、東京博物館側が難色を示したのだ。一方で、他の夫婦塚遺物は東京博物館を説得し続けた結果、貸すという許諾を受けた。結局、展示会は本物の金銅冠なしに開かれることになった。展示館側は今回の展示で金銅冠を入り口の中央に配置した。金銅冠の前に置かれた札の隅に1センチほどの大きさの「R」の字を書き、複製品(Replica)であることを表した。「日本から借りた遺物で、展示が終われば日本に返さなければならない」という事情を書いている展示館の壁には、金銅冠が複製品であることを明らかにしなかった。シン・ヨンチョル(신용철)館長は「展示会を企画しておいた状態で本物を確保することができなければ、複製品を展示するしかないのが博物館の現実」と説明した。