倭乱時に連行された陶工・李参平を祭る有田

2013年12月20日 23:00

佐賀県の有田に行くと「2016年は日本磁器産業400周年になる年です」とかかれた看板がある。1616年、九州の佐賀県で、朝鮮半島出身陶工の李参平(イ・サンピョン:이참평)が有田地方の泉山(泉山)で良質の高嶺土を発見し、日本初の白磁を作った。有田地方の泉山には巨大な磁石場や陶祖李参平(이참평)の記念碑、李参平(이참평)を祭神とする陶山神社(도산신사)などがある。壬辰倭乱(임진왜란:文禄の役)・丁酉災乱(慶長の役)は「陶磁器戦争(도자기 전쟁)」と呼ばれるほど、日本側が多くの朝鮮陶工を争って連れて帰った戦争だった。この人たちが陶磁器文化を日本に伝播し、欧州に日本陶磁器ブームを起こす先駆者の役割をした。 一方で、壬辰倭乱当時に日本に連行されなかった陶工が朝鮮半島の地にはるかに多くいたはずだが、なぜ朝鮮の陶磁器産業は大きく発展せず世界的な名声を得ることもできなかったのか?子孫にきちんと伝授されなかったのかではないかとも思う。当時朝鮮に残った数多くの陶工のうち、韓国人が記憶する人は果たして一人でもいるだろうか。殆どいないようにも思える。