今が南北統一の時だ

2014年01月19日 23:25

朴槿恵(パク・クネ:박근혜)大統領が新年の記者会見で「韓半島の統一時代を切り開かなければならない」と宣言したのは、現在の韓半島情勢を正確に把握したところから出てきた鼓舞的なものだ。この宣言に続けて政府レベルの「統一法制協議体(통일 법제 협의체)」を構成することにしたのも時期適切な措置といえる。このように朴槿恵政権(박근혜 정부)は民族統一に積極的に出たようだが、政界はもちろん知識人社会や一般国民は、民族統一に対して冷淡な見方をしている。統一のための費用や統一後の混乱を心配したり、統一に対する準備ができていないと見たりする人が多く、また今統一すれば北朝鮮を吸収する「吸収統一(흡수통일)」にならざるを得ず、吸収統一は正しくないという理由で統一に反対する人が多いためであろう。統一費用は、費用ではなく投資であり、統一後の混乱は、分断から来る苦痛と統一によって得られる恩恵に比較すればささいなものだ。北朝鮮の世襲独裁と閉鎖政策によって北朝鮮同胞が飢えと恐怖に震えていることは明らかで、これに耐えられずに脱北する住民が数万人に達する。このような光景をじっと眺めながらも、吸収統一は正しくないとの理由で民族統一に反対するのは、人民を餓死状態に追い込む金正恩(キム・ジョンウン:김정은)政権の体制維持を助けるものであり非難されて当然だ。さらに進歩だと自認する人々がこういう主張をするのは、自称進歩勢力がどれほど時代錯誤なのかを見せるだけだ。民族統一に否定的な人が多いのは、このような理由のためというよりも「民族統一が果たして成り立ちうるのだろうか」という懐疑心のためであろう。南北の対決様相によって統一どころか分断が永久化されそうだし、もとより韓半島統一に多大な影響を及ぼす周辺の4大強国が同意しない。特に韓半島統一に決定的な影響を及ぼす中国が、北朝鮮を戦略的緩衝地域と見なして抱え込んでいる場所に、どのようにして韓半島統一が成り立ちうるのかと思うのだ。一言で言えば、固定観念から抜け出すことが出来ないからだ。南北間の対決は統一を操り上げる過程であり、4大強国もまた北朝鮮が核兵器を保有していない時とは違って韓半島統一を望むほかはない。金正恩政権(김정은 정권)は、分離体制と分断権力の維持のために核兵器を開発して改革・開放を拒否し、さらに改革主義者である張成沢(チャン・ソンテク:장성택)を電撃的に処刑した。これらすべては金正恩政権の崩壊を操り上げながら民族統一の条件をより一層成熟させるだけなのだ。何より北朝鮮政権の後見人の役割を果たしてきた中国が、これ以上北朝鮮政権を助ける可能性がなくなったことが韓半島統一にとって決定的変数になるだろう。北朝鮮の核兵器保有と改革・開放の拒否によって、すでに北朝鮮と中国の仲がうまくいっていないところに、金正恩政権が親中派として改革指向的だった張成沢を中国に対する売国行為で処刑したのは、北中関係の断絶を覚悟していないわけがない。中国はこれ以上、北朝鮮を支援しない可能性が大きくなった。さらに中国としては北朝鮮をこのまま放っておいたら北朝鮮が米国側に傾く可能性まであり、一層金正恩政権をそのままにしておくことはできないだろう。中国が北朝鮮に対する食糧とエネルギー支援を中断すれば、北朝鮮は数カ月も持ちこたえるのは難しいだろう。北朝鮮が崩壊する場合、中国としてはとんでもない欲を出す場合もありうる中で、韓国は韓国中心の韓半島統一が中国に損にはならず中国の国家安保と経済発展に大きく役立つことを説得しなければならない。要するに、民族統一の適正な時期が到来したのだ。北朝鮮の金正恩政権の脆弱性や韓半島周辺の4大強国の北朝鮮に対する態度から見て、今よりもふさわしい民族統一(민족통일)の機会があるとは言いがたい。統一する準備ができていないとか吸収統一は正しくないなどの理由で民族統一に反対するのは、民族の念願であり民族雄飛の土台となる民族統一を妨害することになるだけだ。このような点で朴槿恵政権(박근혜 정부)の統一努力と共に、国民・各界も民族統一のための多様な活動を展開して民族統一が必ず実現するようにしなければならない。