中国の高句麗博物館
2013年05月05日 21:32
中国吉林省の集安に、高句麗専門の博物館として「集安博物館」が開館した。見学を終えたある中国人は「高句麗は朝鮮族の祖先かと思っていたら、中国の国だったんですね」と語った。博物館の展示室には高句麗は中国の属国といった露骨な表現はないが、『東北工程』が恐ろしいのは、高句麗史を自然な形で中国史の一部として受け入れさせようとしている。中国が集安博物館を通じ、巧妙かつ精密に「東北工程」を展開しているといえる。この集安は西暦3年から427年まで425年にわたり、高句麗の都だった場所だ。集安市人民政府の庁舎前には、高句麗の象徴である「三足烏」(太陽に住むとされ、足が3本あるカラス)の銅像が立っている。案内板には「三足烏」は中国古代の伝説に登場する。高句麗の壁画の三足烏は高句麗民族と中原民族が同じ三足鳥を崇拝していたことを示している」と書かれている。2年前までは『高句麗族は中国の少数民族』という記述があったが、韓国と北朝鮮の強い反発で削除したのである。中日、韓日の歴史問題をめぐる対立が激しい中で、中国は韓国を刺激しないように配慮したとみられる。しかし、博物館内にある案内板と地図には、高句麗が漢、唐の影響を受け、中原と融合したとの記述であふれている。博物館の案内員は「高句麗と韓半島は何の関係もない。高句麗族は中国の少数民族だ」と答えている。