中国に対する安倍首相の暴露発言で孤立深めた日本

2013年07月01日 20:04

「中国側は尖閣の問題について、ある一定の条件を日本がのまなければ首脳会談をしないと言ってきている」と安倍晋三首相は先月の28日、参議院議員選挙に向けたインターネット討論番組で、中国が首脳会談の条件として無理な要求を突き付けていると主張した。安倍首相は条件付きの首脳会談開催について「首脳同士の交流は大切だが、何が何でも首脳会談をやろうとして、こちらが国益を削るのは間違っている」と述べた。安倍首相は先月30日にも記者団に対し「課題があるのであれば会って話をするのが正しい外交の在り方だ。会う・会わないをお互いに条件にすべきではない」と、中国の姿勢を重ねて批判した。中国が求めている首脳会談開催の条件については具体的に明らかにしなかったが、日本メディアによると、中国は首脳会談の開催と引き換えに、尖閣諸島をめぐる領土問題の存在を認めた上で棚上げするよう求めているとされる。今回の安倍首相の「暴露発言」により、日中首脳会談は議論さえ困難になった格好だ。狭義の国益論では正しい判断である。だが安倍首相は今月21日の参院選後に憲法改正もするつもりで、中国・韓国などの周辺国との関係は今後さらに悪化する可能性が高い。韓国と中国が首脳会談を通じ、歴史認識をめぐり日本に圧力をかけたことから、日本のメディアは安倍首相に対策を促している。日本経済新聞は社説で「日本が手をこまぬいていれば、韓中の接近が日本外し、さらには『反日共闘』へとつながる懸念は捨て切れない」と危機感を示した。一方、旧日本軍による慰安婦の強制動員を認め、謝罪した1993年の「河野談話」発表を主導した河野洋平元官房長官は、先ごろAP通信とのインタビューで「日本は地政学的にアジアの一員であり、韓国、中国と関係を強化する以外に選択肢はない」と語った。また、河野氏は安倍首相が河野談話など歴史問題を反省する談話の見直しを示唆したことに触れ「韓国、中国との関係を数十年ほど後退させる危険性があり、この談話が修正されれば日本は国際社会から疎外される。安倍首相は自身の発言が及ぼす影響を過小評価しているようだ」と指摘した。まさに、本当の国益とは何かを真剣に検討して見ることが大切ではないか?中国の手法に引っ掛からずに、日米韓の連帯優先に広義の国益を考えなければならない。