グーグル会長の平壌訪問の真意

2013年04月02日 20:38

世の中は表と裏が違い外見だけでは分からないことがたくさんある。世界最大のインターネット検索会社グーグル(구글)のエリック・シュミット(에릭 슈밋)会長が北朝鮮を訪問したのもその一つと言ってもいい。シュミット会長は1月、平壌(평양)を訪問し、3泊4日滞在した。シュミット会長は平壌から北京に戻った時、空港に集まった記者に、インターネット開放の重要性を説明しに行って来たと述べた。閉鎖的なインターネット政策が北朝鮮の経済発展を妨げるので、政策を撤廃するべきだと北朝鮮官僚を説得したとのことだが本当だろうか? イム・ウルチュル(임을출)北朝鮮大学院大学(북한대학원대학)教授は「シュミット会長が北朝鮮に行った本当の理由は、北朝鮮IT人材を活用したビジネスの可能性を探るためだった」と言っている。シリコンバレーを支える核心要員だったインドのIT人材は、最近は賃金が大きく上がったり、インド企業が独自のブランドを持つ方向に進んだりして、インドに代わる新しい人材の確保が急務となっているのである。実は北朝鮮IT人材のレベルは非常に高いことで知られている。ドイツ人が投資して設立した北朝鮮唯一のソフトウェアベンチャー企業の「ノソテック(노소텍)」が最近開発したスマートフォン向けゲームはドイツで人気上位10位内に入った。09年7月に青瓦台(청와대:大統領府)・ホワイトハウスなど韓国と米国の35主要サイトに対するDDOS攻撃が北朝鮮のよることが明らかになり、シリコンバレーは北朝鮮のIT人材に注目し始めた。脱北したIT関係者によると、北朝鮮はすでに1万2000人以上のハッカー部隊を養成したそうだ。さらに金・マグネサイト・レアアース(希土類)など北朝鮮内の主要地下資源開発に関心を持った米企業が多いのである。米国の代表的な発電設備製作企業ゼネラル・エレクトリック(GE)は北朝鮮に火力発電所を建設する見返りに、金鉱の開発に参加するプロジェクトを推進中である。困難に挑戦しリスクを乗り越える企業精神は米国の力の源泉である。その力は時に政治の壁をも崩壊させ得る。北朝鮮は人材と資源の最後の宝庫と思っている米企業家。中国が利権を独占する前に手をつけようと動いているのだ。米企業家が北朝鮮の人々と平壌で握手する場面を見る日が近い将来突然来るかもしれない。日本はまた出遅れるのだろうか?