「まちライブラリー」

2015年10月18日 21:41

日本で不動産会社に勤めていた著者は2010年、組織生活への懐疑と健康悪化のため休職した。「全てが崩れ去った喪失感で、無意味に一日一日を送っていた」という著者は、故郷の大阪오사카で11坪(約36平方メートル)の部屋を図書館(도서관)に変えた。蔵書1500冊、座敷くらいの広さにすぎなかったが、図書館に対する固定観念を揺るがす「逆転の発想」で、日本全国に計120カ所の「まちライブラリー(동네 도서관)」ができるブームを引き起こした。一般的に図書館という場所では談笑できないものだが、著者はコーヒーやお茶を出し、人々が思う存分考えを語って交流できるようにした。また、読書イベントは参加者が多ければ多いほど成功と思われがちだが、著者は参加者の数を減らす代わりに、講演者と身近に討論できるようにした。大震災で学校や書店が消えたところに森を作り本を集めた「森の図書館(숲 도서관)」など、さまざまな事例を紹介している。礒井純充(이소이 요시미쓰)著、ホン・ソンミン(홍성민)訳『本で人をつなぐ まちライブラリーのつくりかた(동네도서관이 세상을 바꾼다)』(ポル・ブックス펄북스)218ページ、1万3000ウォン(約1320円)