8月15日から大同江でビール祭り

北朝鮮が平壌（ピョンヤン：평양）大同江（テドンガン：대동강）でビール祭りを準備している。英国の北朝鮮専門旅行会社、英パイオニアツアーズによると、北朝鮮は8月15日から豪華遊覧船ムジゲ（虹）号で「大同江遊覧船ビール祭り（대동강 유람선 맥주 축제）」を開催する。今回の行事は北朝鮮の官営旅行会社「朝鮮国際旅行会社조선 국제 여행사」の主管で開かれる。祭りは北朝鮮の政権樹立記念日の9月9日まで続く予定だ。ムジゲ号（무지개호）を訪れた客は大同江で平壌の夜景を見物し、北朝鮮で作られた代表ブランドの大同江ビール（대동강 맥주）も楽しめるというのが、主催側の説明だ。7種類の味の大同江（テドンガン：대동강）ビールがあり、原料の麦芽（モルト：몰토）と白米の比率によって1－7番の味で製造されるが、番号が低いほど苦みが強い。麦芽70％に白米30％の割合で製造された2番が最も人気がある。100％白米で作られた５番は軽くて柔らかく、特に女性に好評という。今回のビール祭りは外国人を狙った観光広報戦略とみられる。特に金正恩（キム・ジョンウン：김정은）労働党委員長（노동당 위원장）の執権後に繰り広げた体制宣伝性の大型ビルと平壌の風景を外部に誇示する意図が込められているという分析だ。行事が開かれるムジゲ号（무지개호）は、金正恩が昨年9月に視察した後に「７色の美しい虹のようだ。大同江（대동강）がさらに明るくなった」と称賛した船だ。長さ120メートルの3500トン級の船で、内外が華麗な照明と装飾で作られた。大型ビュッフェと宴会場・伝統料理店など一度に1230人を収容できる。大同江ビール（대동강 맥주）の認知度を高め、新しい外貨稼ぎ商品に浮上させようという内心も見える。北朝鮮は2月、海外バイヤーを相手にした英語の季刊誌『対外貿易（Foreign　trade）』で、大同江ビール（대동강 맥주）を輸出商品として広報したりもした。平壌の「617貿易会社」が大同江ビール（대동강 맥주）の輸出を担当しているとし、住所と連絡先も明示するなど本格的な海外マーケティングを始めた。実際、中国の丹東および瀋陽にはすでに大同江ビール（대동강 맥주）が正式に流通している。丹東駅前のバス停留所には横10メートル・縦2メートルの大同江ビール広告看板が設置されたりもした。