閉鎖的な純血主義社会の未来

2013年05月03日 20:10

歌手PSY(サイ)の大ヒット曲「江南スタイル」で、幼いながら素晴らしいダンスを披露したファン・ミンウ(황민우)君(7)に対し、インターネット上で悪意ある書き込みが続いている。ミンウ君は動画共有サイト「ユーチューブ」で再生回数15億回を超えた同MVによって一躍有名になり、世界中のネットユーザーからは「リトルPSY」と呼ばれて親しまれてきた。ところが、母親がベトナム人だということが分かると、韓国の一部ネットユーザーが「劣等人種の雑種」などと中傷する書き込みを多数掲載した。警察によると、ある会員制サイトの会員10人余りが先月23日、ミンウ君の所属事務所ホームページにアクセスし「多文化(国際結婚)××が韓国で暮らしているということが×だ」「根っからのくず」などのコメントを大量に掲載して、サイトをダウンさせたという。韓国で暮らす外国人は140万人を超えた。小・中・高校に通う多文化家庭の児童・生徒も5万6000人に上る。それにもかかわらず、肌の色や親の国籍で差別的な視線を投げ掛ける韓国人は依然として少なくない。このように世界が今どのように変化しているのか、韓国がどこに行こうとしているのかを考えない、物事が見えない人々が韓国社会の中にいるから、多文化家庭の子どもや若者が学校でいじめられ、中傷や暴力に苦しめられているのは想像できる。韓国人がこうした閉鎖性を正さなければ、韓国という国や韓国社会の発展もいつか限界に達することになる。歴史を振り返ると、世界をリードした国に共通する特徴の一つに人種的・民族的開放性がある。2030年には韓国社会が外国人移民者300万人時代を迎えるという。少子高齢化に直面している韓国社会はより多くの外国人を受け入れるしかない。全世界が人種や国境を越えて一団となり、また競争し合う今、人種的な純血主義は国の将来をつぶす妄想に過ぎない。これは何も韓国だけのことではない。日本は今でも西洋人に対しては劣等感を、東洋人に対しては優越感を持っているのではないか?如何に移民や外国人就労者と共生できる新しい日本文化を構築していけるのかが課題である。