漢字書けない韓国人

2014年02月01日 11:40
 

 

1970年に「ハングル専用政策」が始まってから44年。今や、小学校で漢字を学んでいない最初の世代は50代に差し掛かった。2030代はもちろん、40代すらも漢字になじみがない時代になったということを意味する。ソウルで暮らす成人男女の47.8%が、子どもの漢字名をきちんと書くことができない一方、この問題を深刻に感じて小学校の漢字教育に賛成する保護者は89.1%に達する、という統計結果もある。基礎的な漢字の意味を知らないため、意味が通じない「不通」現象が起こり、「漢字を知らないため知識拡張の道が閉ざされている」という深刻な問題提起もある。「漢字が分からない」現象をこれ以上放置していれば、測定不可能な社会的損失が生じるというわけだ。ソウルのいわゆる「名門大学」勤めるA教授は最近、ある学生と会話していて非常に驚いた。「金九(キム・グ:김구)先生は暗殺(アムサル:암살)された」と言うと、学生が「あの方は、がん(アム:)で亡くなったのですか」と聞き返してきたのだ。暗殺という単語の漢字を知らなかったため、「ひそかに殺す」という意味だということも分からなかったのだ。A教授は「ハングル世代の悲劇が、今や来るところまで来たという感があり、ぞっとした」と語った。ハングル専用政策によって漢字が教科書から消えて44年、今や漢字は若い世代にとって、避けたい対象というだけでなく「宇宙語」あるいは「特殊文字」扱いを受けている。スマートフォンやタブレットPCからは漢字の入力システムが姿を消し、ハングルだけで誤記された単語が、正しい表記として「定着」するケースも多い。大学教授のB氏は少し前、学生に課題を出す際「なるべく漢字を多く使うように」と指示した。学生たちは、課題の表紙に自分の学科を「行正学科(행정학과」(正しくは行政学科)、「火学科(화학과」(正しくは化学科)などと書いて提出した。「自分が専攻の学科で一体何を学んでいるのかすら知らない」というわけだ。別の大学で中文(中国語・中国文学)科の教授を務めるC氏は「大学4年生になっても、大韓民国(대한민국を『大朝民回(대조민회』と書くありさま」とため息をついた。