朴大統領 ユーラシアを一つに

2013年10月19日 23:24

韓国の朴槿恵(パク・クンへ:박근혜)大統領は18日、ソウル市内のホテルで開かれた「ユーラシア時代の国際協力コンファレンス」の開会式で演説し、「ユーラシアを一つの大陸として再び結び、新たな時代を切り開くべきだ」と述べた。釜山から北朝鮮、ロシア、中国、中央アジア、欧州をつなぐ「シルクロードエクスプレス」(SPX)構想を提案した。朴大統領はユーラシアを①一つの大陸②創造の大陸③平和の大陸にしていくと強調し、「一つの大陸」に向けた方策として、「ユーラシア北東部を鉄道と道路で結ぶ複合物流ネットワークを構築し、将来的には欧州まで結ぶ」とした上で、「新たに開拓されている北極航路と連携し、ユーラシアの東端と海洋を結ぶ方策も模索しなければならない」と呼び掛けた。また、エネルギーネットワークの構築も提案した。世界的なエネルギー生産国と消費国が共存する地域の特性を生かし、域内の電力網、ガスパイプライン、石油パイプラインなどエネルギーインフラをつなぎ、中国のシェールガス、東シベリアの石油やガスなどを共同開発するウィンウィン(相互利益)のユーラシアエネルギー協力を進めたいとの考えを示した。また、韓国と日本、中国の自由貿易協定(FTA)を通じた貿易自由化を加速させ、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、環太平洋連携協定(TPP)などユーラシア域内外を網羅する貿易協定と連携することで巨大な単一市場を構築する「ユーラシア経済圏」構想も明らかにした。朴大統領は「平和と安全保障に対する脅威はユーラシアの経済・通商や文化交流を阻害する最も大きな壁で、新たなユーラシア時代を開くために必ず解決しなければならない」と指摘。「ユーラシアと太平洋を結ぶ朝鮮半島の平和はユーラシアや世界平和のための不可欠な条件だ。物流やエネルギー、人的交流などの協力課題は南北関係の安定と北朝鮮の改革・開放なくしては解決が難しい課題だ」と強調した。その上で、自らが掲げる対北朝鮮政策「朝鮮半島信頼プロセス」(対話や人道支援を通じて北朝鮮との信頼構築を目指す)を通じ、北朝鮮核問題の進展に合わせて韓・ロ・朝、韓・中・朝の3者協力を推進する方針を示した。