嫌韓デモ中断

2016年06月07日 17:55

5日午前11時、神奈川県川崎市(가와사키시)の中原平和公園(나카하라 공원)前の路上は数百人の人波でごった返した。嫌韓デモ(혐한 시위)を行うため集まった極右団体のメンバー約30人と、デモを中止させようとする約200人の市民が、警察官らを間に挟んで対峙したのだ。デモ隊は日章旗とともに「反日国家の国民を公務員に採用するな(반일 국가 국민을 공무원으로 채용하지 말라)」「ここは韓国か(여기가 한국이냐)」などと、韓国人に対する憎悪をあおる内容のプラカード(피켓)を掲げた。一方、川崎市内の市民団体を中心に、道路に座り込むなどの方法でデモ隊の行く手を阻んだ。この日のデモは、先月末に国会で可決、成立したヘイトスピーチ(特定の集団に対する公の場での差別・憎悪表現)対策法(헤이트 스피치(특정 집단에 대한 공개적 차별·혐오 발언) 해소법)が施行されて以降、初めて行われた嫌韓デモ(혐한 시위)だった。デモを行った極右団体は最近、川崎市に対し、公園の使用許可を申請したが、同市はこれを不許可とした。だが今度は、公園ではなく道路の使用許可を申請した。警察は「交通の流れを妨害する特別な事由」がない限り、道路でのデモを許可するという点を悪用したのだ。ところがこの日のデモは実現しなかった。前もって情報を得ていた市民たちが先に現場に集まり、デモを止めたのだった。1時間ほど路上でデモ行進を行う予定だった極右団体は、10メートルも進むことができず、約40分後に白旗を上げた。警察が「デモ隊が解散を決めた(시위대가 해산하기로 결정했다)」という案内放送を流すと、集まった市民たちは盛大な拍手を送り、歓声を上げた。一方、極右団体のメンバーは「表現の自由に対する弾圧だ」と叫んだ。この日、嫌韓デモを中止に追い込む上で主導的な役割を果たしたのは、社会福祉法人「青丘社」に勤務する在日韓国人3世の崔江以子(チェ・カンイジャ:최강이자)さん(42)だった。デモが中止に追い込まれた後、崔さんは「皆さんのパワーのおかげで嫌韓デモを食い止めることができた」と涙ながらに話した。