全校生徒51人の中学野球部 韓国全国大会優勝

2013年08月06日 17:14
韓国で創部から2年、全校生徒51人の中学校の野球部が最も権威のある大会の一つ「大統領旗全国中学野球大会(대통령기 전국중학야구대회」で優勝し、話題を呼んでいる。同大会は今年で43回を迎える。優勝したのは慶尚南道・梁山の院洞中学校(원동중학교4日、釜山で行われた決勝戦で54で逆転勝ちし、優勝旗を手にした。大会には全国各地の予選を勝ち抜いた計33チームが出場した。同部は20113月に創部された。当時、全校生徒が21人しかおらず、廃校の危機に追い込まれていた同校は地元の野球協会から野球部創部を提案された。野球部に入部するために大都市の中学校に進学するしかなかった生徒を受け入れ、学校の再生を目指そうという趣旨だった。同校関係者は「廃校を防ぎ、野球を通じて学校を生まれ変わらせることに職員の心が一つとなり、直ちに野球部の創部に取り掛かった」と振り返る。野球部の創部を受け、地元の小学校の卒業生や他地域の中学野球部員ら計12人が入校、全校生徒は37人に増えた。地元住民も野球部の宿泊所やミニバンを支援するなど、野球部の創部と学校の再生に力を注いだ。今年、同校の全校生徒は51人となり、12年ぶりに50人を超えた。うち20人が野球部員。廃校の危機は乗り越えた。ただ、将来への不安は残る。3年生の部員は「卒業しても野球を続けたいが、進学できる高校の野球部が少なく、夢をかなえるのは難しい」と話す。同部のシン・ジョンセ(신종세監督は「2年目の新生チームが全国大会を制覇するのはほぼ不可能だが、選手たちが(優勝を)成し遂げた。野球名門校に成長させるため努力する」と意気込んだ。同部は716日に開かれる「KBO(韓国野球委員会)総裁杯全国中学野球大会(KBO총재배 전국중학야구대회」で新たな挑戦に臨む。